小学5年生くらいのころ、一人で散歩をしていた。昔の田舎の子供時代なので、行けるところはみんな散歩道。駐車場だろうが人の家の裏庭だろうが資材置き場だろうが、お構いなしに歩き回っていた。
建築資材を置いてある敷地内を、辺りをきょろきょろ見回しながら歩いていたら、ふと周りの風景が動いてないことに気づいた。
散歩してたのになぜか足が止まっていて、しかも足が宙に浮いた状態で片足立ちをしていた。
片足立ちのまま、なんとはなしに宙に浮いた足を持ち上げたら、靴の裏に、板に刺さった五寸釘が突き刺さっていた。
そのままゆっくり靴を脱いだら、五寸釘は中敷きを貫通して土踏まずに触れるまで突き抜けていた。もしそのまま足を踏み出していたら、間違いなく足に五寸釘が突き刺さっていたはず。
もし足が止まっていなかったら、もし宙に浮いた足を踏み込んでいたら、私の足には確実に穴が空いていた。
そんな事故を運良く避けられた幸運に感謝する昔話。